名盤まとめブログ2

邦楽&洋楽問わずひたすら名盤を紹介していくブログです。サブスクにないアルバムも紹介するので、少しでも需要になれば幸いです。

【サブスクにないアルバム紹介】殺人教室(1970) - 沖至

日本のジャズトランペット奏者、沖至の2ndアルバム。本作の演奏メンバーは田中保積(ドラム)、沖至(トランペット)、翠川敬基(ベース)によるトリオ編成。

ジャンル:ジャズ/フリー・ジャズ

オススメ度:★★★★☆

沖至は富樫雅彦クインテット、富樫/佐藤允彦による『ESSG』に参加するなど、富樫雅彦フリー・ジャズ手法に強い影響を受けた人物。

アルバムタイトルの『殺人教室』は1955年のアメリカ映画『暴力教室』が元ネタ。この映画では不良たちが集う高校の教師が自慢のジャズレコードを生徒に聴かせようとするシーンがあります。しかし、その名盤レコードたちは生徒たちの手によって叩き割られ、窓から投げ捨てられてしまいます。実際に割られたレコードはジェリー・ロール・モートン等の重要な作品であり、このシーンはジャズファンにとって衝撃的となりました。

沖至は「暴力教室を超えるには、殺人教室しかない」と言って自身のアルバムタイトルに採用します。これは彼の挑戦精神と前衛精神を反映したタイトルでもあったことから、フリー・ジャズ的な演奏となります。

トラック1の「水との対話」ではバケツに満たした水にトランペットを出し入れしてミュートをかけたり、トライアングル等も水に浸しながら叩くなど実験的な内容。トラック2の「図形的発展」は沖が図形楽譜をイメージして、自由な即興演奏を展開。トラック3の「空間の飛翔」は蝶のコレクターであった沖が蝶の飛翔をイメージしたダイナミックな作品となっています。

【トラックリスト】

1. 水との対話“Aporia"

2. 図形的発展“Spectral"

3. 空間の飛翔“Papilio"

4. 永遠の詩“Eternal Lyric"

 

 水との対話“Aporia"

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【サブスクにないアルバム紹介】晩餐(1970) - フード・ブレイン

パワー・ハウスの陳信輝(Gt)、ジャックスのつのだひろ(Dr)、ザ・ゴールデン・カップスの加部正義(Ba)、エイプリル・フールの柳田ヒロ(Key)からなるスーパーグループの唯一の作品。今にも飛び出して来そうな有名な象のジャケットはタージ・マハル旅行団の木村道広によるもの。

ジャンル:サイケデリック・ロック/ハード・ロック

オススメ度:★★★★☆

全曲インストでありスリリングなギターとベース、ワイルドなキーボード、そしてそれを支える手数の多いドラムなど当時としては一流の人物が演奏を展開しています。爆速するような「ザット・ウィル・ドゥ」、サイケな香り漂う「レバー・ジュース自動販売機」、「目覚し時計」、ブルース・ロック/フリー・ジャズ風の「穴のあいたソーセージ」がハイライトです。

つのだひろのスケジュールの関係で2日しか録音の日程が取れなかったせいか、1分未満の曲が4曲も収録されています。グループサウンズ出身の人物が歌謡界に背を向けて英米のロックを志向して挑戦した貴重な一枚。非常に短命のバンドになってしまったことが惜しいですが、陳信輝や柳田ヒロはソロアルバムでも優れた作品をリリースし、つのだひろは「メリー・ジェーン」を発表するなど各々活躍していくことになります。

【トラックリスト】

1 ザット・ウィル・ドゥ

2 禿山

3 M.P.B.のワルツ

4 レバー・ジュース自動販売

5 カバとブタの戦い

6 目覚し時計

7 片想い

8 穴のあいたソーセージ

9 バッハに捧ぐ

 

ザット・ウィル・ドゥ

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【サブスクにないアルバム紹介】外道(1974) - 外道

日本のロックバンド、外道の1stアルバムにしてライヴアルバム。加納秀人(Vo,Gt)が警察官から"外道"呼ばわりされてグループ名に命名

ジャンル:ハード・ロック

オススメ度:★★★★★

ブリティッシュハードロックを基調とした骨太のサウンドに、MC5やブルー・チアー等のUSアンダーグラウンドの危険な香りがマッチしており、当時の邦楽ロックとしては極めて先進的。無駄に凝ったアレンジと歌詞の過激さも特徴であり、先輩格である"頭脳警察"とはまた異なったインテリさを感じさせるところが外道の面白いところ。

外道は"キャロル"をプロデュースしたミッキー・カーチスがたまたま見に行ったライヴにより見出され急遽デビュー。横浜野音で行われたライヴを録音した本作を、その10日後にスピード発売することになります。オープニングを飾る名曲「香り」、ヘヴィなギターソロが印象的な「逃げるな」、爆走するイメージを決定付ける「外道」、「ビュンビュン」、「完了」がハイライトです。

【トラックリスト】

1 香り

2 逃げるな

3 外道

4 ロックンロールバカ?

5 ダンスダンス

6 ビュンビュン

7 いつもの所で

8 腐った命

9 完了

10 やさしい裏切りを

11 スターと

 

香り

 

 

 

【音楽アルバム紹介】魔法学校(2024) - 長谷川白紙

日本のシンガーソングライター、長谷川白紙の2ndオリジナルアルバム。

ジャンル:ポップス/エレクトロニカ

オススメ度:★★★★★👑

ジャズ、エレクトロニカ、ポップスなど様々な音楽を内包するカオスなサウンドが特徴。ハードコアテクノ並みの高速ビートにメロディアスなフレーズ、過剰とも言えるアレンジ、意味深でナンセンスな歌詞等その音楽性は極めて特徴的。

前作『エアにに』はクールでスタイリッシュなサウンドでしたが、本作はより暴力的かつ叙情的なサウンドに仕上がっています。恐怖と困惑そして喜びが同居するような人間の根源に迫るようなサウンドになっています。

ハイライトはスピードコア風の「行っちゃった」、ブレイクビーツにラップが乗る「行つてしまつた」、シングルカットされた「口の花火」、ゆったりとした良曲「蕾に雷」、闇と光が同居するような狂気的な「恐怖の星」、フォーク調の「ボーイズ・テクスチャー」、己の殻を破り外界に向かって行くような「外」などです。

余談ですが、アルバムタイトルの魔法学校について長谷川白紙は「私は〈魔法〉とは真逆の位置にいる作家だと自己分析していて、このタイトルもいわば自分への皮肉なんですよ」と語っています。

【トラックリスト】

1. 行っちゃった

2. 行つてしまつた

3. 口の花火

4. 撤回

5. 蕾に雷

6. 恐怖の星

7. ねんねこころみ

8. 禁物

9. 魔法インター (v2)

10. ボーイズ・テクスチャー

11. 焱ばみ

12. 外 

 

蕾に雷

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恐怖の星

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【歌詞一部抜粋】

シャー芯とWordの乱射の中の!

恐怖の星のほんとの光!

これから見せて!

わたしが見せてあげる!

星図を書き換えてく000000000000のほんとの光!

暴れる僕は!浮つく肌のよう!

にみえてんでしょ!

【音楽アルバム紹介】Insignificance(2001) - Jim O'Rourke

『Eureka』から2年半ぶりとなったジム・オルークのオリジナルアルバム。『Eureka』に引き続きアルバムジャケットは友沢ミミヨ

ジャンル:オルタナティヴ・ロック

オススメ度:★★★★★

タイトルの『Insignificance』は"取るに足らないもの、些細なこと"を意味する言葉でありアルバムジャケットと合わって意味深に聞こえますが、過去作の『Bad Timing』、『Eureka』と同じく英国の映画作家ニコラス・ローグの作品の題名から取られています。

ジム本人が"今回はバンドレコードだ"と語っているように、かなりロック寄りのサウンドに仕上がっています。ジムはフリージャズやノイズにも造詣が深い音の探求者(俗っぽく言えば音楽オタク)であり、独特なフックが効いた楽曲や急に入るノイズなどキャッチーだけども複雑な音像を形成されています。

アヴァンギャルドな作風を続けてきたジムが、前衛音楽という形を一旦捨て、今の自分を慣れ親しんだロックというフォーマットに落とし込んだ結果、爽快だけども奥が深い名盤『Insignificance』が生まれたと言えるでしょう。

【トラックリスト】

1. All Downhill from Here

2. Insignificance

3. Therefore, I Am

4. Memory Lame

5. Good Times

6. Get a Room

7. Life Goes Off

 

All Downhill from Here

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【和訳】
僕が言う言葉を信じちゃいけない
どちらにせよ君は信じないと思うけど
僕は嘘つきなのかもしれない
でも、ここからは楽な下り坂が続くんだ

 

僕がよそよそしく見えたら
君は僕のことを厭世家だと言えば気分が良くなるかもね
君のボートはどこでも浮くかもしれないけど
僕としては、自分のボートは沈めてしまいたいんだ

 

たとえ僕がここにいても、君は孤独を感じているはず
たぶん君はこの場所はもう通り過ぎてしまったから
僕にはよく知られた名前があるけど
線を一本引くだけで、僕は名前を足すんだ

 

 

【音楽アルバム紹介】War(1983) - U2

アイルランドのロックバンド、U2の3rdアルバム。

ジャンル:ロック/オルタナティヴ・ロック

オススメ度:★★★★★

ボーカルを務めるボノこと、ポール・ヒューソンは1960年5月アイルランドのダブリンに出生。父親はカトリック信者の郵便局員でしたが、プロテスタントの女性と結婚したことからプロテスタントに改宗。ボノもプロテスタントとして育てられることになります。 

1976年、U2のドラマーとなるラリー・マレン・ジュニアがバンドメンバー募集のポスターを貼り出したことから、U2がスタート。当初はバディ・ホリーローリング・ストーンズ等を目指していましたが、パンクムーブメントにより、ストゥージズやMC5を演奏するようになります。その後、音楽コンテストで優勝を飾り、CBSアイルランドと契約。プロデューサーにスティーブ・リリーホワイトを迎えリリースした1stアルバム『BOY』は全英だけではなく、全米にもチャートインするなどヒットを飛ばします。

 本作はそんなU2のパンクスピリットが最も発揮されたアルバムであり、デモ行進中の市民が軍により死傷した"血の日曜日事件"を取り扱った「Sunday Bloody Sunday」、スリーマイル島原子力発電所事故を題材とした「Seconds」、ポーランドの独立自主管理労働組合"連帯"が題材の「New Year's Day」、アイリッシュな「Drowning Man」、シングルカットされたラブソング「Two Hearts Beat as One」など良曲多数。そして最後は聖書の一節を元にした穏やかな楽曲「40」で〆。今日におけるU2の政治的・社会的なイメージは、本作によって確立されたと言っても過言ではないです。

アルバムジャケットも『BOY』では無垢な少年でしたが、本作では鋭い眼光飛ばす少年に変わっており、U2の姿勢が現れたアルバムであると言えます。

【トラックリスト】

1. Sunday Bloody Sunday

2. Seconds

3. New Year's Day

4. Like a Song...

5. Drowning Man

6. The Refugee

7. Two Hearts Beat as One

8. Red Light

9. Surrender

10. 40

 

Sunday Bloody Sunday

 

【和訳】

今日のニュースが信じられないんだ

目を閉じても忘れることができない

 

いつまで、いつまでこの歌を歌わなければならないのか

いつまで

いつまで

今夜俺たちは一つになれるから

 

子供たちの足元には割れた瓶が散らばり

行き止まりには死体が散乱している

でも俺は戦いの呼びかけには耳を貸さない

それが俺の背中を壁に押し付けようとも

 

日曜日、血の日曜日

ああ、行こうか

 

戦いはまだ始まったばかり

多くが命を失ったが、誰が勝ったのか教えてくれ

俺たちの心の中には塹壕が掘られ

母親、子供、兄弟たちが引き裂かれる

 

日曜日、血の日曜日

日曜日、血の日曜日

 

いつまで、いつまでこの歌を歌わなければならないのか

いつまで

いつまで

今夜俺たちは一つになれるから

 

日曜日、血の日曜日

日曜日、血の日曜日

さあ、行こうか

 

涙を拭いてくれ

涙を拭くんだ

俺が君の涙を拭こう

俺が君の涙を拭こう

 

日曜日、血の日曜日

さあ、行こう

 

TVの内容が事実として扱われていることに慣れきってしまい、俺たちは真実を知らないでいる

そして今日も何百万という人々が泣き

俺たちが飲み食いしている間に、彼らは明日死んでしまう

本当の戦いは始まったばかり

イエスが勝ち取った勝利を掴むために

 

日曜日、血の日曜日

 

 

 

 

【音楽アルバム紹介】Queen II(1974) - Queen

イギリスのロックバンド、クイーンの2ndアルバム。

ジャンル:ハード・ロック/アート・ロック

オススメ度:★★★★☆

レコードではA面がギタリストのブライアン・メイ中心の"サイド・ホワイト"、B面がボーカルのフレディ・マーキュリー作の楽曲のみの"サイド・ブラック"に分けられるというコンセプト・アルバムとなっています。

ソングライティングの面ではThe WhoLed Zeppelinの二番煎じなところもありますが、多重コーラスの活用、ハードなギターの上でメロディアスなボーカルをグイグイ進める作風など、オリジナリティを発揮し始めた時期の作品であることも特徴。

コーラスやギターを多重録音した分厚いサウンドと退廃的な作風は4thアルバム『A Night at the Opera』や名曲「Bohemian Rhapsody」に繋がることになります。

アルバムジャケットも有名であり、「Bohemian Rhapsody」のMVでこの構図が使用されています。

【トラックリスト】

Side White

1 Procession 

2 Father to Son 

3 White Queen (As It Began) 

4 Some Day One Day 

5 The Loser in the End 

Side Black

6 Ogre Battle 

7 The Fairy Feller's Master-Stroke 

8 Nevermore  

9 The March of the Black Queen 

10 Funny How Love Is 

11 Seven Seas of Rhye 

 

Father to Son 

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The March of the Black Queen

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